鍼灸適応症

鍼灸適応症

 

 

よく相談される疾患

1)腰痛
<原因の分からない腰痛、繰り返す腰痛について>
原因の特定できない腰痛のことを非特異的腰痛といい、腰痛の85%を占めると言われます。検査しても何も異常はないが、痛みが続いているなどの症状がある方はご相談ください。

筋肉・筋膜、内臓疾患、冷えなど原因は、様々です。一度ご相談ください。

鍼灸が適応となる腰痛
筋筋膜性腰痛、椎間関節性腰痛、変形性脊椎症、坐骨神経痛、梨状筋症候郡

<ぎっくり腰 患部への施術は避けること>
ぎっくり腰などの急性の症状の場合、痛む場所患部は炎症を起こしている可能性があります。
通常発症して3日間は炎症起こしている時です、患部には施術せず、その他の所で炎症を緩和させる必要があります。鍼灸にはそれができます。

<坐骨神経痛は、病名でなく、症状名です。>
坐骨神経痛は、おしりや太ももの後ろに、しびれやズキズキとした痛みが現れます。足をつくだけで電気なような痛みが走る場合や上体をそらす又は前かがみになると痛みが生じるなど様々です。比較的年齢が若い場合は、椎間板ヘルニアの疑いがありますし、又高齢者の場合は、脊柱管狭窄症の疑いもあります。又検査しても何も異常がない場合もあります。どのような場合でも鍼灸は、適応できます。経絡いうネットワークは、坐骨神経の走行しています。古来から施術は行われてきたと思われます。鍼灸は比較的坐骨神経痛には、かなり適応していると思います。それは症例数からも言えます。

 

2)頭痛・耳鳴り
偏頭痛、耳鳴り、頭が重い等現代はストレス社会です、知らず知らずのうちにストレス抱えているものです。頭痛や耳鳴りは体の異常を知らせるサインです。薬で抑えるのは一時的なものです。はりや灸で不快感を緩和して、体全体のバランスを整えましょう。

<鍼灸の適応となる頭痛>
①筋収縮性頭痛
(頭蓋部、頚部筋の持続性筋緊張による頭痛)
非拍動性で持続性の慢性頭痛、肩こりなどを伴う。

②片頭痛
(片頭痛型血管性頭痛、頭蓋外血管の拡張による頭痛)
拍動性、反復性の慢性頭痛、疲労、ストレスなどが原因で肩こりを伴う。

2種類の頭痛とも鍼灸によって痛みや不快感が、緩和できますが、片頭痛(血管性頭痛)について注意が必要です。

血管性頭痛は、頭蓋外血管の拡張による頭痛なので、頭部に血液を集まらないようにする施術が必要です。手足のツボ使い、施術していきます。

薬を減らしたい方、一度ご相談ください。

参考文献 東洋医学臨床論 医道の日本社

3)不定愁訴(ふていしゅうそ)
何か原因でどこが悪いか分からないが体がダルイとか、やる気が出ないことがあります。西洋医学では原
因が分からなければ、何とか病名を付けたり、本人の心理的な問題とされますが、東洋医学ではその人本人
の体のバランスを診るので施術方針を立てられます。はり、きゅうの本領を発揮できる領域と考えています。

4)未病

未病年齢を重ねても、元気良く過したいものです。日常の体のメンテナンスは非常に重要です。はりや灸はその年齢、体質に合わせた施術が出来ます。病気にならないようにする予防医学としても鍼灸は効果があります。「はり、灸を続けたおかげて風邪を引かなくなった」とか「夏バテしなくなった」と言っていることよく聞きます。

5)寝違い
<ストレートネック、寝違いを併発する人>
デスクワーク等で同じ姿勢を長時間続けていると肩や腰に負担がかかります。原因は筋肉の衰え、ストレス、内臓疾患など様々です。表に現れる症状だけではなく、その原因を考え、その人に合った施術をしていきます。

例)ストレートネックや寝違いが多い人は、PC作業などによる長時間同じ姿勢でいるために生じると言われています。
又スマートフォンの使い過ぎは、寝違い、眼精疲労、手首、肘の腱鞘炎を併発します。

6)冷え症
<一年中体が冷えている人>
東洋医学では、冷え症を陽虚としてとらえます。陽虚とは、体を暖める力がない状態を言います。そこに寒湿(冷え)が腰やおなか、下肢に阻滞しておこる状態をいいます。足の冷え、おなかの冷え、腰痛、月経不順、むくみ、頭痛など様々な症状を引き起こします。夏は、陽気を体に吸収させる時期ですが、エアコンなど常に冷たい風に当たっていると陽気を吸収できず、秋、冬を迎えるため、体が冷えた状態のままさらに冬の寒気にさらされます。鍼灸で体を暖める力をつけていきましょう。特にお灸は効果的です。自宅のお灸もお勧めです。

7)不眠症
<明け方早く目が覚める方、不眠症。>
日中と夜の温度差が激しいため、不眠、頭痛、肩こり、倦怠感などの症状を訴える患者さんが、最近多いです。暑いのか、寒いのかよく分からず、明け方目が覚めて、よく眠れないという患者さんもいます。特に朝、3時、4時は、急激に温度が下がる時間帯です。うつ病の患者さんもこの時間帯が、症状が悪化する時です。原因は、季節の変わり目に体がついていかないということがありますが、おそらく体の体温、上半身と下半身の温度差が自律神経を乱していると考えられます。東洋医学でいうと上実下虚という症状です。予防する方法は足を暖めましょう。

8)逆流性食道炎
<年末年始の食べ過ぎ、飲みすぎに注意 逆流性食道炎>
これから、年末年始にかけて宴会、会食が増えてくる時期だと思います。ただの飲み過ぎ、食べ過ぎというだけで胃の不調をほっとくと慢性的になり逆流性食道炎だったという可能性も考えられます。胸やけ、のどの不快感、吐き気、胃酸の逆流感、呑酸などの症状が現れます。原因は、食道括約筋の緩み、胃酸過多、食道の知覚過敏、ストレスなどがあります。又、背中の曲がった高齢者や中年のメタボ体型の男性、やせている女性などにも多い傾向があります。気をつけることは、前かがみの姿勢、食べ過ぎ、飲み過ぎ、脂肪分の多い食事、ストレスです。鍼灸のツボでは、内関というツボがとても有効です。一度ご相談ください。

9)眼精疲労
<VDT作業(テクノストレス)と眼精疲労>
長時間でのPC作業は、ほぼ常識となっている現代では、眼精疲労は、もはや職業病とも言えます。目を酷使している状態は、職場で8時間、通勤でスマホなど使用すればさらに1時間、そして自宅でもスマホ、PCを使用すれば、ほぼ12時間以上目を酷使している人は珍しく無くなってきています。眼精疲労は、ほぼ全身に影響していきます。肩こり、頭痛、不眠、吐き気、食欲不振、倦怠感などがみられます。寝違いを何度もする人やストレートネックと言われる人も含まれると思います。鍼灸の施術では、目の周りのツボだけではなく、手足のツボ、首、肩のツボ、頭のツボなどに置鍼して施術していきます。

10)末梢性顔面神経麻痺
<末梢性顔面神経麻痺、(ベル麻痺、ラムゼイハント症候群)でお悩みの方。>
末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺、ラムゼイハント症候群)は、鍼灸で緩和できる可能性があります。発症して3ヶ月以内であれば比較的よく緩和できると言えます。
病院を受診し、ステロイド剤、抗ウィルス薬を服用していても施術は可能です。帯状庖疹後の顔面神経麻痺の場合、かなり体力を消耗している場合が多いので安静が、必要です。顔面部だけの施術ではなく、体調に合わせた施術が必要となります。
美容鍼灸などで、顔に刺針するための針を用意しております。
ご相談ください。


11)梅核気
<ノドが詰まったような感じ、息苦しさを感じる方へ、 梅核気。>
春は、新生活が始まる方や転勤など新しい環境での生活を始める方が多いと思います。また新しい人間関係なども始めから作り直さなければいけません。
 日頃からストレスが重なると、ノドに詰まったような不快感、息苦しさを感じる方は、要注意です。これは梅核気というもので、古来からある病気の一つです。漢方薬も半夏厚朴湯というものがあります。
日頃のストレスであれば、何となくやり過ごすこともできますが、新しい環境や新しい人間関係は日頃のストレスを倍増させます。
 鍼灸にも太衝、神門、内関など気持ちが安らぎ、ノドの詰まったような不快感も緩和させるツボがあります。一度ご相談ください。

12)円形脱毛症
<円形脱毛症は、リンパ球が原因か?>
円形脱毛症の種類は、単発型、多発型、蛇行型、全頭型、汎発型とあります。中でも、蛇行型、全頭型、汎発型と言われるものは、リンパ球が正常に働かず自己免疫が原因の場合があります。自分の体の成分を「異物」として認識して攻撃し、破壊してまうことです。円形脱毛症の場合、髪の毛の細胞だけを限定攻撃するため髪の毛は、抜けますが他の臓器に影響はありません。自律神経を整えることでリンパ球を正常な働きの状態にし、局所へのアプローチ、灸や針、梅花針などで施術していきます。
参考文献 専門医が語る 毛髮科学最前線 板見 智著 集英社新書

13)非定型歯痛
虫歯でもないのに歯が痛い方へ。

・歯やその近くの歯肉、抜歯したあとの部位に痛みがあるが、検査やレントゲン画像に全く異常が認められない。
・痛みの程度は中程度から激痛で、じんじん、じわじわする痛みが、ほぼ一日じゅう途切れることなく、数ヶ月から数年にわたってつづいている。
・痛み止めの薬などでは、痛みがひかない。

該当する方は、非定型歯痛の場合があります。一度ご相談ください。

参考文献 口腔顔面痛を治す 健康ライブラリー 講談社